「投資はメンタルが全てだ」的な言葉をいろいろなところで見聞きするけれど、これって本当のことなのだろうか。
たしかにギャンブルトレードをする人や、損失を取り返そうとしてオーバートレーディングをしてしまうような感情的なトレードにおいてはメンタルが関係しているのかもしれない。
単純な順張りの繰り返しで月150万円の利益
FXのバイナリーオプションで月に150万円を稼ぎ、キャバクラで豪遊していた知人がいた。10万円からはじめてコツコツと増やし、数ヶ月後には毎月150万円ほどの利益を稼ぎ出していた。金遣いがどんどん荒くなり、キャバクラ・風俗でどんどん散財。なぜか友達に現金をあげたりしていた。
僕が思うに運よく相場の地合がよかった時に参入したのだろう。バイナリーオプションはFXのように差益で儲けるのではなく、決まった時間に上がるか下がるかを当てる取引なので、長期的なトレンドが発生していればシンプルな順張りでも優位性は高い。
けっきょく豪遊していた彼はどうなったかというと1年ももたずに破産した。正確にいえば債務整理でとどまることができたが、損失を取り返すためにハイレバレッジの取引を行い、負けが続きどんどん頭がおかしくなっていった。カードローンや消費者金融からの借入額がMAXで700万円。
毎月の返済もできなくなり、債務整理することでなんとか会社からの給料だけで食っていく生活で食い止めることができた。食い止められたというべきかわからんけれども。
トレードはメンタルが全てではない
負けを取り返すためにオーバートレーディングをしてしまったり、借金をして証拠金に充てたのはメンタルの問題かもしれない。しかし根本的な「負け」の原因はスキルがなかっただけの話だ。破産した彼が単純な順張りで勝てていた時は、選んだ通貨ペアが長期的なトレンドだっただけ。その後、調整局面に入りレンジ相場に入ってしまうと順張りだけで勝ち続けることはむずかしいだろう。
なんでもかんでもメンタルのせいにしてしまうと自分で自分の成長機会を奪ってしまう。なぜ勝てたのか、なぜ負けたのか、それらをきちんと分析し、次の取引に活かす。そういった地道なことの繰り返しがトレーダーとしてのスキルを磨くのだと思う。
メンタルを整えることは大切。でもそれ以上に相場の状況を正確に見極め、優位性の高いポイントでエントリーができるように技術を磨き続けることがなによりも大事だと思う。